こんにちは。Life Labo登山部、登山ガイドの小山和彦です。

雪山トレーニングDay5を開催しました。

今回の講習テーマは

・ロープウェイを使わずに深雪歩行、ルートファインディング
・ツボ足、アイゼン、スノーシュー(ワカン)の使い分け
・地形図による現在地確認、ナビゲーション
・観天望気と天気図

登山部の講習会では入山前に参加者の方々に宿題を出します。大抵は入山する山域の成り立ち。
お調べいただくことでのぼる山の地質や地形、海との位置関係などを把握いただくことで知識を深めていただきます。

今回は北横岳の成り立ちと北八ヶ岳、南八ヶ岳の対比をテーマにお調べいただきました。
なにゆえ南北の山容が違うのか、なにゆえハイマツ帯の上部に亜高山帯が逆転しているのか。

出発前日、ウェブに掲載できないくらいの長文が届きました。

事前にお調べいただくことで現地での解説、景色がすっきりとハラオチしたようです。

地形変化を事前に把握する

今回はロープウェイを使わず駐車場から山頂駅までの標高差500メートルを登行します。

登りのトレーニングとしての意図はもちろんなんですが、100m急登→200m緩斜面→200m急登の地形変化を感じて現在地特定するトレーニングが主題です。

地形変化のポイントではしっかり地形図を確認。

地形図で地形変化を確認

このピッチ、地形図で見ると緩斜面200mは縞枯山、急登200mは北横岳に由来しているようですね。溶岩や土砂の流れが複雑に混じり合っていそうです。

植生もミズナラの森、カラマツの森、カラマツの幼樹帯、シラカバの森を経てシラビソの森が交互に現れます。植生、森の遷移に関して理解を深めていきます。

標高差500m、地図読みや講習、休憩含め2時間で計画。

呼吸を乱さず、汗をかきすぎないピッチで進みます。急登ではダイナゴナルで身体の向きを入れ替えながらふくらはぎがパンプしない様、ジャスト2時間で上がっていただきました。

気象に関しては前々日にLINE通話でミーティングを実施。

予想天気図からは

・移動性高気圧由来の晴天域がかかってくる

・が、弱い気圧の谷が先行で東進してくる。午前中は快晴と思われるが、お昼以降谷の影響で低い雲が湧く可能性が高い。

・高気圧通過後は南寄りの風で下り坂となる

と予測。

 

 

午前9時 南アルプス甲斐駒、仙丈はくっきり。盆地には雲海。

甲斐駒ヶ岳と仙丈ヶ岳

午前11時 坪庭上空は快晴、南八ヶ岳、南アルプスには雲がかかり始める

坪庭は快晴

午後1時 北横岳山頂は低い雲と弱い降雪

ほぼほぼ予想通りの展開。

後から実況天気図を確認すると案の定、12時から15時にかけて気圧の谷が行動山域を東進していました。

坪庭まで降りてきて、最後は「坪庭がホワイトアウトしていたらどうやって駅に戻るか」のナビゲーションをしながら14:40行動終了。

きっと多くのことを学んでいただけたと思います。

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