【アプローチはマウンテンタクシー】

こんにちは。

LifeLabo登山部。登山ガイドの小山和彦です。

今年はNORTH FACEと北杜市の包括連携協定によるシェア型タクシー「マウンテンタクシー」の運用が開始され、電車利用の単独登山者には優しくなかった甲斐駒、日向山の登山口「尾白川駐車場」がぐっと身近になりました。

リリースによると
今回の取組は、「北杜市の誇る山々の情報発信、登山者の増加を目的とした取り組み」の一環として、フィールドへの玄関口となるJR小淵沢駅から八ヶ岳と南アルプス甲斐駒ヶ岳などの登山口まで、登山者用タクシー「MOUNTAIN TAXI(山タク)」を運行させることで、二次交通の利便性を向上させ登山者をサポートします。

サービスは八ヶ岳方面観音平線と甲斐駒方面尾白線の二系統。
どちらも新宿7時発のあずさ1号に合わせ、小淵沢駅9時発。
帰路は現地を16時に出発し、都心方面のあずさに接続できます。

運賃は片道、平日1,000円。土日祝1,500円。
個人でタクシーチャーターするよりお得。

サービスの企画、運用は花谷さんの会社、ファーストアッセント。

【天空のビーチの正体】


日向山といえば天空のビーチ?と呼ばれる花崗岩が風化した白ザレと岩峰。
南ア北部、北岳や仙丈ヶ岳は堆積岩。甲斐駒、鳳凰三山はみるからに花崗岩。お近くの山域でも造山活動の成り立ちが異なります。
これは1500万年前の糸静構造線、いわゆるフォッサマグナの活動に起因しているようです。
日向山は甲斐駒と鋸岳を結んだ稜線上に位置しています。すなわち、甲斐駒由来の花崗岩ということになりますね。
ビーチとされる雁ケ原付近の花崗岩の露出は1800年台の「甲斐国志」にも記述があるようで古くからの景観のようです。

【植生変化は乏しいが紅葉は楽しめそう】
低層部から山頂付近までカラマツの天然林が見事です。幹の太さからかなりの樹齢と伺えます。
ご存知のようにカラマツは落葉する針葉樹。登山道を見渡すとカラマツの黄葉、ミズナラ、ブナの褐様、カエデの紅葉、ヒノキの緑のコントラストが期待できそうです。
標高からダケカンバが見当たらないのが残念。

【予想通り昼から降り出す】

日向田山は八ヶ岳同様内陸性の気候特性。
天気図を見ると午前6時では気圧の谷ですが、時間と共に前線となって南下してくるしてくる予測。
風向きは南西よりなので少し湿った空気が南下する前線に流れ込み崩れると予測。
朝9時、小淵沢駅からはしミッキーの看板とともに甲斐駒ヶ岳を視認できましたが、正午を指す頃には降り出しました。この時、上高地入りしている知人のガイドから「こっち土砂降りになったけどそっちは大丈夫?」とLINEが入りました。まさに天気図通り。後立山とか行った人は大変だろーなー。

【登山道はスモール合戦尾根】
花崗岩のオーバーユースで掘れ、傷んだ登山道。といえば合戦尾根を思い出しますが、それのスモール版。標高差900mのうち、下部500mの谷筋、尾根のトラバースが急登の核心部。
主尾根に乗ると笹の広がる緩やかな樹林帯登りが楽しめます。
道標は整備されていますが、落葉の時期、開けたところでは踏み跡なくルートを見落としそうです。地形図とコンパスでルーファイが必要。
天空のビーチまではずっと、ずっと深い樹林帯で眺望ゼロ。
樹林帯を抜けると一気に目前に展望が開ます。
ほんとに一気にくるので、何度行ってもちと感動的です。
日向山のピークはビーチ手前の藪の中にじみーに三角点があります。

LifeLabo登山部では22年秋、紅葉に絡めた講習山行を企画しています。

10月15日(土)山小屋泊 蛇紋岩と紅葉の至仏山2日間

10月20日(木)日帰り登山 紅葉と雲と岩 谷川岳天神尾根

11月13日(日)日帰り登山 落葉する針葉樹の森 日向山

 

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