こんにちは。
Life Labo登山部 登山ガイドの小山和彦です。

登山アプリの性能が向上し、「紙地図を読む必要性があるのか?」と地図離れが加速し、さらには「地図読み講習会」に参加してみたものの、いまいち理解できず、必要性も感じられずなんとなくうやむやって人も多いと思います。

「紙地図を読む必要性があるのか?」、、はい。
地図が読めると登山が3倍楽しくなります。

まずはプランニングする楽しみ。
アプリをポチ、ポチとやって山行計画書を作るのも効率的。
反面、ルートに介在する危険箇所、急登、など見落としがち。
地形図見ながらここやばそー、ここは60分で行けるな、などアナログに計画、すなわち空想登山する楽しみ。

そしてナビゲーションする楽しみ。
周辺の地形、植生、時間経過などから現在位置を特定。
ここから進むべき方向をコンパスで割り出す。
目に見えているもの全てが山行のオプションとして楽しむことができます。

最後に答え合わせする楽しみ。
山行後、一服しながら計画はどうだったか、ナビゲーションはうまくいったか、想定外だったあの場所は地図ではどう表現されていたか。

まさに、「一粒で三度美味しい」。
これが地図読みのメリットです。

難しく学ぶ前に、まずは「体験して興味を持っていただく。」
それこそが、地図読み体験山行のコンセプトです。

さて、今回はいままで何度となくお山をご一緒したみなさまにご参加いただきました。

本日のルートは
JR古里駅 – 丹三郎 – 大塚山 – 御嶽山 – 日の出山 – つるつる温泉
地形変化の顕著なルートです。

現在地特定、地形変化、進路方向をチェックするポイントをマーキングしてスタート。

古里駅で現在地特定、整置をしたら早速、万世橋の上から「あそこに見える山は地形図でどれ?」
構造物で特定する?コンパスで特定する?
すでに頭はフル回転!

橋から登山口までは距離どれくらい?
何歩で歩けると思う?
みなさん黙々と歩測しながら進みます。

登山口ではホタルブクロがお出迎え。

谷筋の登山道から尾根をトラバースし、九十九折で尾根を何度も乗っこしながら稜線までの標高差400メートルは交代でリードしていただき、目標ポイントまで地形変化、ペース、いま尾根のどこにいるのか感じながら登っていただきます。
ガイドは安全管理しながら地形や植生の変化をお伝えしていきます。

大塚山からの尾根にとりつくと植生がドラマチックに変化します。
今まではずっとスギ、ヒノキの針葉樹の薄暗い森を歩いてきましが、尾根の西側がトチやブナの広葉樹に変わりいきなり明るく深い緑に包まれます。

ココロも高揚してきますね。
そして西側と東側、広葉樹と針葉樹のコントラストを感じていただきつつ、等高線の間隔の変化による急登、だらだらの区別も意識して歩いていただき、ペース配分にも気を配っていただきます。

胸突八丁!もう少しです。

顕著な分岐で現在地確認の後、大塚山。
途中でバテかけた人もすっかり回復。バテないペース配分、リカバリーを学んでいただくのも今回のテーマ。

カロリーをしっかり補給して、ビジターセンター経由、天空のジュースバーを目指します。
宿坊の町ではユキノシタとタツナミソウがお出迎えしてくれました。

晴れた日に南山荘さんのテラスでいただくフルーツビネガージュースは、これまたご褒美感満載。
しばし寛ぎます。

この日は日の出山取付きの鳥居の分岐まで行って地形を感じていただいつつタイムアップ。

御嶽山からケーブル下山としました。
エスケープ判断時にも地形図は重要な判断材料となります。
単に所要時間だけでなく、どれだけ降るのか、どう降るのかが膝痛を抱えた人、バテ気味の人にどれだけ影響し、どれだけ遅延しそうか?
今日の日没は?

登山アプリでは判断できないこともたくさんあります。

エスケープついでに予定外ですが、御嶽駅前「中華 東峯」さんで冷やし中華と餃子でお疲れ様会。
参加者の皆さまは「タンメン」一択でした。

今日の体験が地図への興味、登山の楽しみの広がりに繋がれば何よりです。

6月26日(日)フィールドでの読図体験 ここどこ?あの山なぁに?どっちに進む? 高尾 景信山・堂所山

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