
【お山にはまる予兆はありました】
2014年春、突然要介護になった父のために奥多摩の秋川渓谷沿いの特別養護老人ホームにご縁をいただいた。
会いに行くのに自宅から片道2時間。
毎度、こんな山奥まで来るならなんかやりたいなー、、とうすーく思っていた。
元々、アウトドアギア好きなところもあるので、素材とか用途とかわからずにちまちま買ってたな。
そんな影響もあってか、2015年夏はやたらと無理くりアウトドアにハマろうとしていた。
7月に南アルプスの麓で小屋フェスや横谷渓谷に遊びに行った頃は山登り始めるなんて思っていなかった。
8月の嫁の誕生日に土砂降りの谷川岳の麓を一の倉沢まで散歩した時はレインウェアの必要性を感じ、外遊び意欲が加速した。
裏高尾に出向き、そして棒の嶺で決定的に怖い思いをして、山遊びするならきちんと習わないと死ぬな、、と一大決心。
早速、奥多摩で地図読み講習に参加し、ん?今まで地図なんて苦手意識しかなかったけどやればできるじゃん?
ガイドツアーで鷹ノ巣山に登った頃には教わることの楽しさに開眼!
ついに山岳ガイドの門を叩くことに。
【遊びの本質を知るために】
門を叩いた瞬間に、ガイドからかまされた言葉は
「森林限界を超え都市救急の及ばない環境で非日常的な活動をしようとしているのに、知識、技術、考え方を他人に依存していては遊びの質は上がらない」
ガツンとやられました。琴線をじゃんじゃかかき鳴らされています。
要約すれば、教えてやるから自分でできるようになれよ。ってこと。
お山の知識を深め、計画的に行動し、無事お家に帰ってくることの繰り返しが、自身の質を高め将来の暮らしを豊かに、楽しくするな。。。とひらめいた瞬間でした。
【ハイシーズンに向け低山を駆け回る】
ガイドさんに教わりながら、2016年6月以降の2,000m、3,000m級に向け、秋から春にかけてひたすら低山を駆けずり回りました。
- 丹沢、奥多摩では標高差のある登降
- 秩父では飯能アルプスなど長時間歩行
- 日和田、妙義、大坊山では岩場の安定歩行
- 裏高尾、仙元山では読図
- 冬季の赤城、榛名では低温リスクなど
テーマに沿ったトレーニングで歩くための身体づくりと体捌きなどを叩き込まれます。
復習、自主練のため日和田、高尾へは毎週のように通うどハマりっぷり。
身体だけ出来上がってきても知識が足りなければ片手落ちなので、山行計画の礎となる
- 栄養学:行動食の取り方や、コンディショニング、高度障害対策
- 気象学:天気図の読み方、雲の見方、地形から考えられる天候変化
- 地形図の読み方:作図、読図、ルートファインディング
などもガシガシ叩き込まれ予習、復習、、これがまた面白い。
オタク体質、ロジカルシンキング好き、復習マニアという自分の本質にピッタリな遊びを見つけてしまいました。
【お山行きの儀式】
普段は標高300〜1,300mくらいの低いお山ですし、小学生やおじじ、おばばがハイキングに来るようなコースです。
が、、全ては大きなお山に自分の力、意志で登るためのトレーニングですから八ヶ岳に行くような準備で臨みます。
地形図でルートの起伏と行動時間、避難路を把握しベアリング表(行動計画表みたいなもの)を準備します。

低山日帰りの場合、夏季であれば14時には行動終了して雷など午後からの天候急変リスクを担保。
冬季であれば遅くとも15時には最寄りの交通機関拠点まで下山できるよう計画します。
そして、低〜いお山でも万が一、スッテンコロリンすれば自力で降りられず、山中で一晩明かす可能性もある。
降雨対策はもちろんのこと、低山であっても体温を維持するための防寒具やテルモス、体調変化を補うためのサプリメントや非常食、一夜の寝床を担いでお山に入ります。
お山に関わる一つ一つのことを丁寧にやることで、自身の生活、生き方の質の向上に繋がる。
ピークよりプロセス。
life labo 登山部の行動指針です。