こんにちは。
LifeLabo登山部。登山ガイドの小山和彦です。
雨で濡れた木道。
つるつる滑って転倒されてしまう場面を多く見かけます。
滑る木道、嫌だなーという声も聞きますが、そもそも木道は「人のため」ではなく、「自然保護のため」が大前提。
木道があり、訪問者がルールを守って自然を楽しむことでこの環境が維持出来てる。
尾瀬の木道を維持するのにどれだけ労力がかかるのだろう。
山の鼻ビジターセンターに答えとなる展示があったのでまとめてみました。
【尾瀬国立公園内 木道の全長】
約65km。福島県、東京電力、群馬県、檜枝岐村、南会津町、環境相で分担して設置、管理をしているそうです。
ありがとうございます。
【木道に使用している木材】
折れにくい、水に強い(腐りにくい)、丈夫な木材として国産のカラマツが使われヘリコプターで麓から運んでいるそう。
昔は尾瀬の中で木を切り出し、雪が残っているうちにソリなどで運んでいたそう。
尾瀬沼の方にはカラマツ多いですもんね。
【木道の寿命】
大体10年程度で新しい木道に取り替え、ヘリコプターで空輸し、尾瀬の外へ排出。設置は専門業者が行う。木道1mで数十万円の設置費用がかかるそう。
おトイレの協力金だけでは到底賄えないですね。
【古い木道の廃材再利用】
木道を紙の原料として「尾瀬の木道エコペーパー」として再生されたり、木のフレームになって再利用される木道もあります。
いまのご時世。燃やして捨てる、、ではいかんのですね。
【高架式の木道】
湿原から1mほど高い高架式になっているのは雪解けの時期や大雨の時など、冠水の恐れがある場所などで高く作られています。
ツキノワグマと人との不意の接触を防ぐバリケード的な役割の部分もあるらしいです。
登山、トレッキングでは山頂からの眺望や美味しい山ご飯など楽しみがあります。
が、そこにたどり着くまでにも植生、登山道、地形、雲、などなど。さまざまなストーリーが溢れています。
お山をまなぶことで、楽しみのタネを増やしましょう。
LifeLabo登山部では22年秋、尾瀬ヶ原、紅葉に絡めた講習山行を企画しています。