こんにちは。SST25参加予定の方に講習事前情報として配信しています。

昨日、みなさんに共有した木曽駒の遭難事例、みなさんそれなりにじわっとアドレナリン出たようで。。。

木曽駒と中岳間の鞍部や、双六山頂手前の肩など広く開けた稜線は晴天なら歩きやすく眺めも良いですが、濃霧に覆われたり、崩れれば西からの強風の通路となりいとも簡単にロストする可能性が高まります。

雪山だったらどうでしょう、、、イメージしてみてください

2月平日のお休みにyoutubeで「雪山初心者向け」と紹介されいた八方尾根に出かけることにした。予定では唐松岳頂上山荘までピストン。朝イチのゴンドラ乗れば往復できると動画では言っていた。

6時半、ゴンドラ駅に向かう148号線は盆地は雲がなく陽がさしているものの、北側の爺ヶ岳以降の後立山連邦は低い雲の中。

7時半、ゴンドラ駅で準備を進めるが、駅周辺も低い雲で曇天。「でもせっかくきたのだから」とゴンドラ列に並ぶ。

8時、ゴンドラと下のリフトは真っ白い雲に包まれ視界不良。が、上のリフト途中から雲を抜け青い空が広がった。

無風!

「おう、てんくらAだしな!さすがてんくら!」

昨日の降雪は旧雪の上に30センチほど溜まっている。「帰りのリフトは15時半でおしまい」の看板を一応写真に撮っておく。

9時、八方池山荘で準備を済ませアイゼンを装着して、昨日の降雪で薄くなったトレースを頼りに歩き出す。絶景に見惚れ写真を撮りながらSTOP&GOを繰り返しているので標高差200mの八方池到着は10時半になってしまった。この頃になると強めの北風を感じるようになりすでに白馬三山は視界から消えて白い雲の中に落ちてしまった。

八方池から下の樺に進むが、積雪がだんだん深くなり今は膝を越えている。強まる北風に白いものが混じりだし、足元の積雪ばかり気にしていたら前を見ると一面の濃霧に包まれていた。

ものすごく心細くなるが「せっかくきたのだから」とラッセルを続けてみる。

標高2,361mの「扇雪渓」の看板が見えたところで時計を見ると12時になろうとしている。標高差500mを進むのに3時間費やしている。確か帰りのリフトは最終15時半。

こりゃ引き返さないとまずいが、強まる風は風速15mに達しようとしていて、吹雪は自分のつけたトレースを消し去っていく。下山しようと東を向くと、夏山用のサングラスでは北からの風が入ってきて目を開けているのもしんどい。

冷えていく指先と足先とは対照的に心臓の鼓動がやたら大きく聞こえてくる。そもそもこんな風吹いててリフト動いてるのか?

さて、この「せっかくバイアス」に絡め取られた登山者は八方池山荘にたどり着くにはどうしたらいいでしょう。

イメージ的には「八方尾根は一本道」的な思い込みが強いですが、地形図を見れば夏道は結構くねっていて、ターニングポイントと進行角度を誤ればいとも簡単に黄色い線の遭難導線に迷い込みます。

正解の発想や手法は講習で学べばいいこと。

現時点のみなさんが「何を感じるか」、お手隙の時にコメントお願いします。

Onsiteでの講習は「好天」より「荒天」がいいねぇ。😆

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